Tights in the city 2013 「消える色、欠けた光」

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おそらくこの街は、人の欲望がそのまま色に置き換えられている。
そこに統制された意思など微塵もなく、ただ好き勝手に溢れかえっているだけだ。
そして昼夜を問わず、あまたの欲望を煽るために光は希望という名の価値を持つ。

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一つでも多くの色がある場所へ。
少しでも明るい光のある場所へ。
こうして人の一生は、色と光に振り回され続けるのだ。

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この街で人生の半分を過ごしてしまうと、こぼれ落ちた涙の粒だけ、自分の中から色が消えてゆく。
希望がひとつ失われるたび、突然電球が切れるように、心に暗さが増す。
そんな荒涼とした気持ちのまま見る夢は、統制を伴う色彩で構成された地方の田園風景ではなく、モノクロで乱暴な線画のようなものばかりだった。

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あの頃は良かったと、口に出して振り返るのは簡単で愚かしい。
だが目の前に見えている景色は、色と光を失った分、同じ街であっても違う世界なのだ。

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春の世に咲く花は、どれも無条件に華麗だった。
しかし、寒く閉じられた冬の世に咲く花には、体温を微かに伴った、内向きの妖しさがあることを知る。

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それを残った僅かな色で補色をする。
雲の隙間から射す光。それがかすかな希望であるならば、心のスクリーンを照らしてほしい。
きっとそこに映し出されているものは、経験したことのない美しさ、そのものであろう。

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by sukekiyo2008 | 2013-04-21 21:17 | その他 | Comments(0)

Tights in the City : vol.3 Roppongi-Ⅰ

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自分にとって六本木の街は、何か「近くて遠い」場所でした。
引き寄せられる感じがまったくなかった街、、、、とでも言ったらよいのでしょうか……。

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高校生の頃、バイト先の先輩だった女子大生のお姉さんに連れてってもらったのが最初だったか。
どこの店かはもう忘れてしまったけど、何かすごく場違いなところに来てしまったという、緊張感しか思い出にありません。

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まだ日比谷線の駅しかなかった頃の六本木。
自分の家から行くには、山手線で恵比寿まで行って乗り換えるか、
渋谷から新橋行きのバスに乗っていきました。

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渋谷ほど気軽でもなく、銀座よりもむしろ敷居の高さを感じた場所。
それが六本木という街に対する、僕のファーストインプレッションでした。


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20代も終わりに近づいた頃、最初の転職をしました。オフィスは乃木坂。
自分の席の後ろを振り返ると、窓の外には首都高と六本木を通り越して東京タワーが見えるという、とても気持ちの良いオフィスでした。
しかし、残業に次ぐ残業の日々……。
六本木は目と鼻の先なのに、飲んで帰ろうという気力もありませんでした。
ライトアップされた東京タワーを見る度に、何かが違うと感じながらミレニアムを迎えました。

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アークヒルズに入居していた取引先に何度も通い、企画書を突っ返され、契約違反も甚だしい値切りをされたり、
どさくさに紛れて出てきたのであろう国のお金で、誰のためでもないイベントを仕切らされたり……。
行くたびごとに、入り口横のスタバで複雑な思いをラテと一緒に飲み込んできた気がします。

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そんな思い出がどこか懐かしく感じられるようになった今でも、何か特別な用事が無い限り、
わざわざ六本木に行こうという気は起きません。
自分にとって六本木の街は、東京の中でも「何か今ひとつ縁のない場所」なのでしょう。
洗練された幾何学的な風景の中にいると、もっと単純にエモーショナルな気持ちのままでいいじゃないかと、
この街がイメージ的に放つエネルギーとは対極の磁場を探したくなるのです。

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by sukekiyo2008 | 2012-06-04 01:51 | その他 | Comments(0)

Tights in the City : vol.2 Ariake

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スカイツリーに関連して画像を紹介してしまったので、定期的にこのシリーズをアップしようと思います。
もともとそのつもりでおりましたが、ちょっときっかけが掴めず終いだったので……。
もうすぐ衣替えだというのに、半年以上前の画像を引っ張り出してくる自分も自分ですが(^^;

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さて、去年の冬コミ企画として始めたこの撮影は、当初の目的では小説本の挿絵的な補足画像(おまけROM)という意味合いで撮り始めたものでした。
ですが、モデルを務めて下さったクミさんが、とてもノリノリで、おまけROMで終わらせるにはもったいないほどの、
衣装と時間的な協力をしてくださいました。
おかげで撮影をしながら、いろんなことが頭の中を駆け巡り、普段無意識に考えていたことがはっきりしたりもしました。
おまけのつもりが、こちらの方が実は大事な作品だったような気がします。

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イベントごとのない時の有明は、人間が作為的に考え出したランドスケープの輪郭がくっきりと現れます。
おそらくは「必要なもの」として配されている木々の一本一本も、見るときの気分によっては、やらせの類のようなものに見えてしまう……。
しかしながら、自然とはかけ離れた人の営みのために存在する人工的な無機質感は、妙に心地良かったりもします。

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そういえばいつだったか、ある女性にこんなことを言われたことがありました。

  「東京はいいわね。逃げたり隠れたりする場所がたくさんあって……。
   これだけムダに人が多いと、自分の存在なんてあってないようなもの。
   私はきっと、注目されたくなくて東京に出てきたんだと思う……」

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ただひたすらに、己の存在を消して空虚でいたい。
そんな時は、人通りのほとんどない、お台場へと続くこの橋に来ると良いかもしれません。
癒しでもなく、癒されるのでもなく……。
時に作為的に無機質な空間は、荒れ始めた心を、穏やかにニュートラルなポイントまで引き戻してくれることでしょう。

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by sukekiyo2008 | 2012-05-28 00:45 | その他 | Comments(0)

東京スカイツリー開業記念 (Tights in the City : vol.1 Asakusa)

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「そんなものができたら東京の風景はどう変わるんだろう?」

子供の頃から、何度も怪獣たちによって破壊されてきた東京タワー037.gifに不思議な愛着がある自分にとって、
スカイツリーは「完全に未知なるよそ者」というイメージを計画段階より感じていました。

しかしながら建設が始まり、滅多に行くことのない東京の東側を通るたび、少しずつ高くなってゆくこの建造物を見るにつけ、
日本人がコツコツと積み上げてきたテクノロジーの現代表現であることを、いつしか楽しむようになっていました。

あの大震災の時にはまだ工事用のクレーンが載っていました。
しかしそのクレーンすら落とさず、本体も全くの損傷を受けずにその後も工事は続き、
震災による資材納入の遅れを理由としても、たったの2ヶ月遅れでオープンさせたプロジェクトオペレーションに、
日本人の持つ職業意識の高さを感じずにはいられません。

人々がきちんと仕事をした証。
東京の風景というのは、それに関わる知恵と努力の折り重なりによって生まれるのでしょう。
僕はダイナミックに変化し続ける、この東京という都市が大好きです。

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さて、お互い「東京生まれの東京育ち」であるクミさんと浅草に出向き、完成間近のスカイツリーをバックに撮影したのは
川縁に寒風吹きすさぶ昨年の12月初旬でした。

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ずっと東京の西側で育った僕らには浅草界隈はあまり馴染みがなく、スカイツリーを間近にちゃんと見る機会も日常的に
それほど多くないため、不思議な新鮮さと大きさにテンションが上がりました。
『都市とタイツ』というコンセプトでしたが、冬空独特の蒼さに映えるスカイツリーと、
色の抜けた冬枯れの地上に映える2in1のカラータイツの取り合わせは、なかなか良かったと思います。
きっとクミさんには、撮影前からこのイメージが浮かんでいたのではないでしょうか?
素晴らしいご提案でした!

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東京の新たなランドマークのオープンに乾杯068.gif
僕にとっては開業前から思い出深い建物となりました。
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by sukekiyo2008 | 2012-05-25 02:25 | その他 | Comments(0)

新年のご挨拶と冬コミ御礼

もう今月も20日を過ぎまして、新年のご挨拶どころか、寒中見舞いのタイミングも逃してしまいました。
まあ中国の旧正月に倣いまして……(^^;

さて、いつもご覧いただいております皆様方、新年おめでとうございます。
それにしても昨年は大きな天災により、気分の重い一年でありました。
誰しも口にする年始の言葉も、今年だけは口に出すのが少々憚られました。
あらためまして被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。

また年末のお忙しい最中に、コミケのブースまでおいでいただきました皆様方、ありがとうございました。
ここ数年の間に、常連様とお呼びしても差し支えの無い方々も増え、本当に嬉しく思います。
今回はイレギュラーな新作となってしまいましたが、変わらずお手に取っていただけた事を感謝申し上げます。
なかでも、「私、中身オッサンなんで、美人で美脚さんのタイツ脚見るの大好きなんですよ~♪」と語って小説とROMをご購入くださいました、関西の女子大生さんが一番衝撃的(笑激的?)で印象に残りました(^^)

不思議なもので、同人活動を長いこと続けていますと、だいぶ前に疎遠になってしまった方とふいに再会できるのも、コミケならでは。
今回偶然にも隣の席になったサークルさんは、もう10年以上前に一緒にバカなことをやっていた方で、自分の知らぬ間にコスプレカメラマンとして、それなりの実績を持つ御仁になっていて驚きました。
「こんなこともあるんだねぇ」と、昔話も交えながらの一日はとても楽しかったです。
また当日の夜明け前に、そのお隣のサークルさんに急遽売り子として参加の決まった、男性コスプレイヤーとして超有名なマリトさんが、ご自分のバーナビーROMを携えて隣に立つという、これまたビックリなハプニングもございました。
よく女性が「イケメンに癒される」と仰いますが、今回、その気持ちがよーくわかりました(^^;
今回の参加記念写真は、マリとさんとのこれ1枚しかないので……。

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そして、今回の新作については長くなりますので、以下のmoreよりお時間のある方はどうぞ。

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by sukekiyo2008 | 2012-01-23 00:57 | お知らせ | Comments(0)